韓国書籍紹介など

読書ノートなど。翻訳もこつこつ出版していきたい。

2021-06-09から1日間の記事一覧

「フェミニズムは女性を被害者としてのみ捉えるという、まさにその考え方と闘ってきた」――クォンキム・ヒョンヨンのエッセイからの引用

日本語翻訳もいくつかあるキム・ウンシルが編んだ『コロナ時代のフェミニズム』(ヒューマニスト、2020)は、単著を持つ論者たちが、それぞれの議論をまとめた短いエッセイが並んでいる本であり、すぐ読める。もちろんそれぞれ単著を読むにこしたことはない…

李珍景『マルクス主義と近代性』第一章紹介

李珍景の著作で最も有名なものは、86年のデビュー作である『社会構成体論と社会科学方法論』、そして入獄後に哲学を学びなおして執筆した94年の『哲学と煙突掃除夫』として97年の『マルクス主義と近代性』であろう。このあたりは、00年代以前に韓国…

オ・ヘジン『至極文学的な趣向』から「当事者」と「嫌悪」についての議論

韓国書籍の引用紹介です。600頁近い論考集の大著ですが、日本で最近紹介されている韓国文学諸作品についての批判的議論もたくさんあり、さらには索引もあるので(ありがたい!)、2010年代以降の韓国文化・文学を批判的に考えるさいに繰り返し参照さ…

李珍景『マルクスはかく語りき』の一部分

この本は李珍景が霊媒になってマルクスが対話しているという形式(!)の本ですが、ちょっと引用紹介してみます。今後、韓国書籍の引用紹介的なことをちょくちょく挙げていこうと考えています。 ーーーーーーーーーーーーーマルクス「曖昧とした考えだけど、…