韓国書籍紹介など

読書ノートなど。翻訳もこつこつ出版していきたい。

2021-06-10から1日間の記事一覧

スユノモN(およびスユノモ104)のウェブマガジンに書いたもののリンク

むかしスユノモのウェブマガジンであれこれ日本語書籍について要約紹介する連載をしていたのですが、誰かの参考になるかもしれないと思い、リンクをいくつか貼ります。おもしろい本の中でも、できるだけ韓国の読者がいなさそうな本を選んで書いていました。…

金賢京『人、場所、歓待』(青土社、2020)は、諸論点で重要な指摘をしているが、そのうちの一つとして、以下の引用のようにネオリベラリズムと家父長制の関連様相を浮き彫りにしている点がある。この点はドラマ『スカイキャッスル』などを分析するさいにも…

生死を賭ける、存在を賭ける――李珍景『金時鐘、ずれの存在論』の議論紹介

李珍景が『金時鐘、ずれの存在論』(2019)で議論している「生死」を賭けることと「存在」を賭けることの差異について引用紹介です。ちなみに「死への先駆」はハイデガー『存在と時間』に出てくる言葉です。 「生の真実性とは「存在を賭けること」であると述…

正しい言葉が登場する時――スユノモが解体した時についての高秉權の議論から

『哲学者と下女』が日本語に紹介されている韓国の哲学者である高秉權(コ・ビョングォン)のエッセイ集『黙黙』に、2009年にスユノモが解体したさいに「正しい言葉」がいかに用いられたかが論じられていて刺激的です。このような状況は、スユノモに限ら…

『82年生まれ、キム・ジヨン』を「政治的正しさ」から解くために――オ・ヘジンの議論より

『82年生まれ、キム・ジヨン』は韓国でもベストセラーになり、当たり前ですが、文芸誌上で議論が紛糾し、その中には「あれは小説になっていない」という風なありがちで別に参照しなくてもいいようなもの以外に、きちんと検討すべきものも多数提出されました…